千葉県佐倉市内で昨年7月、四街道市大日の無職、栗田容さん=当時(53)=が複数人から暴行を受け死亡した事件で、傷害致死の罪に問われた右翼団体「潔心塾」構成員で運転手、大月裕如被告(47)ら3人の裁判員裁判初公判が18日、千葉地裁(松本圭史裁判長)で開かれ、大月被告は「私が中心になり、暴行を加えて死亡させた事実に間違いありません」と、起訴内容を認めた。

大月被告の後輩で解体工、岩村俊被告(33)は「暴行は認めるが共謀は認めない」と、共同正犯は成立せず傷害罪にとどまると主張。同団体創設者で顧問の建材業、帯金勝彦被告(54)=同罪で起訴=の下で運転手をしていた森谷誠被告(39)は「共謀というものが分からないので否定も肯定もできない」と述べたが、松本裁判長から説明を受けた上で現場での共謀を認めた。

検察側の冒頭陳述によると、暴力団組員だった栗田さんは居酒屋で仲間3人と酒を飲んでいるうちに、大月被告が「他人に迷惑を掛けている」との話になり、大月被告に電話をかけてやめるよう話したがまとまらなかった。栗田さんら4人は大月被告の自宅に向かい、大月被告は友人・知人に次々と電話をかけて自宅に呼び寄せており、つかみ合いになり話はまとまらず、大月被告は仲間に頼み帯金被告を呼んだ。検察側は「3人は暗黙のうちに互いに意思を通じ暴力を振るった」と述べた。

大月被告の弁護側は「栗田さんの行為がなければ事件は起きなかった。栗田さん側に落ち度があった」。岩村被告の弁護側は「頭や顔に暴行を加えたが腹部には加えていない」として、他の共犯者との共謀を否定した上で傷害罪にとどまると主張。森谷被告の弁護側は「顔を数回殴ったにすぎず、致命傷となる暴行は加えていない」などと述べた。

起訴状などによると、3人は帯金被告らと共謀し7月24日午前0時ごろから同30分ごろまでの間、佐倉市上志津の駐車場などで、栗田さんの顔や胸、腹などを多数回にわたり殴る蹴るなどの暴行を加え、同2時ごろ、同市内の病院で栗田さんを多発外傷による出血性ショックで死亡させたなどとしている。

同事件で地裁は先月11日、トラック運転手の男(48)に懲役4年の実刑判決を言い渡している。

千葉日報